D-concept DESINERS & CONSTRACTORS

WORKS制作事例

遮りつつ透かし、魅せる材料

オープンして5年という区切りに、インパクトのあるリニューアルをしたいということでお話をいただきました。

まずオーナーとの打合せから、4席あるカット席を3つにして作業スペースを広くとりたいというのが1番の要望でした。そこで、カットスペースを主体としたリニューアルを計画し、およそ考えつく限りのレイアウトパターンを検討しました。最もスペースを広く取れるのは、壁面に並べるプランですが逆に無駄に広くなってしまい却下。レイアウトとしては今までと同じ中央配置に決まりました。

デザイン的にはこれまでの物もシンプルで、個人的には好きなデザインですが、オープンすぎるという側面もあり空間的に間延びした印象になってしまいます。そこで、今回のデザインコンセプトは「象徴」です。私的に、ヘアーサロンで最も象徴的と思えるのは、やはり大きな鏡によるカット&セットスペースです。それを私なりにシンボリックに表現してみました。

3つの鏡を交互に配置し、間にスクリーンを八の字型に立てました。スクリーンの素材は「FRPグレーチング」というもので格子になっています。席に座ると視線を遮るように角度を調整し、各席間のプライバシーを確保しました。また、FRPそのものの色に透明感が有り、昼間の自然光では白っぽく見え、夜の照明の下では緑がかった色になり、時間の経過により表情を変えていきます。 更にFRPをガラスで挟み込むことで髪の毛や埃が溜まらないように配慮し、高級感も演出しています。

角度をつけた配置が空間にリズムを与え、FRP&ガラスが適度に遮りつつ透かすことで圧迫感を抑えて、程よい存在感の「シンボル」に仕上がりました。

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